絶対にあいつには弱みを見せない、と心に決めた。


バイト後のこのおしゃべりも、ケイとナツとメグが3人とも揃っていない時には参加しないようにしよう。

なるべく関わらないように。


不良。

少なくとも学区一の進学校である富岡にはいるタイプじゃない。

対極にいる人種なのだ。

考えてることが理解できないのもイラつくのも、だから、しょうがない。


なんでこんな不良が、職場ではしゃんとしてて、バイトリーダー的な存在なんだろう。

外に出てもアツシやタケからの信頼が厚いのは見ていてよく分かる。

みんな、何が良くてこの男の周りに集まるのだろう。


ああ、いくら関わりを絶とうとしても仕事は仕方ない。

だからせめて嗤わせないように、さっさと一人前にならなくちゃ。


ダサい、なんて。

……二度と言わせない。