琥珀の記憶 雨の痛み

噛み噛みでガチガチの彩乃ちゃんの挨拶が、逆に場を沸かす。

初々しい、とか新鮮! とか、口々に言ってみんなが彼女を迎え入れた。

なんだか――、デジャウ。


『に、新田です! よろしくお願いします……』


薄々、気付いていたけど。
仕事への向き合い方とか、見ていて感じる性格、考え方、態度、諸々……。


「なんか――」

口元に笑いを含んだ、尚吾くんの声が裏付ける。

「入りたての頃の莉緒を見てるみたいだな」


だよ、ね、やっぱり。
私と彩乃ちゃんは、すごく……似てる。

自分で感じるだけでなく、人から言われるなら本当にそうなのだろう。
けど。


別に彩乃ちゃんが嫌なわけじゃないけど。
嫌な印象持ってるわけでも、全然ないんだけど。


他の誰かと似てるって、尚吾くんに言われるのは思いの外心が痛んだ。

尚吾くんの中にある私の居場所を、彩乃ちゃんに上書きされる――そんな錯覚、なのかもしれない。


「ねえねえお腹減ってる!?」

「え、えっ!?」


自己紹介を終えたナツとメグが、お近づきの印とか言いながら、廃棄でもらってきたらしい唐揚げを鞄から取り出している。

人見知りか遠慮かまだぎこちない態度の彩乃ちゃんも、この調子ならすぐに馴染んで行きそうだった。