「お疲れ様。ありがとう、前より綺麗になった!」
一番端のサッカー台周りまで拭き終えたところで、岡本さんから作業終了の声がかかった。
いつもバイトを上がる時間と大差ないけれど、店が空いていた分早く閉店作業が終わった他のバイトは少し前に先に上がっていた。
「あ……すみません。せっかく早く上がれそうだったのに、いつも通りになっちゃいましたね」
逆に申し訳ないような気持ちになってそう言うと、岡本さんは「なぁに気を遣ってんのよ!」と声をあげて豪快に笑った。
「普段なかなか手が回らないで放っておいたけど、意外と業者に頼らなくても綺麗になるのね」
と、目を細めてフロアを見つめながら彼女は微笑んだ。
それからもう一度、
「ありがとう。お疲れ様」
――当たり前に与えられた仕事をしていて、今まで社員さんに『ありがとう』を言われたことがあったかな。
……自分から求めて、必要最低限以上の仕事をしたから、なのかも。
それは、こういう言葉になって戻ってくるんだ。
『ありがとう』を1人噛みしめていると、不意にぽんっと肩を叩かれた。
顔を上げると、岡本さんが穏やかに笑っている。
「良かった」
「え?」
「モップ持って戻ってきた時、なんだか浮かない顔してるように見えたからちょっと心配してた。今は良い顔してる」
「――ッ、す、すみません!」
慌てて顔の前でばたばたと手を振ると、それを見た岡本さんはくつくつと笑いを噛み殺した。
「なんかあったら、相談しなさいね……仕事のことじゃなくても。おばさんで良ければ、話くらい聞くわよ」
一番端のサッカー台周りまで拭き終えたところで、岡本さんから作業終了の声がかかった。
いつもバイトを上がる時間と大差ないけれど、店が空いていた分早く閉店作業が終わった他のバイトは少し前に先に上がっていた。
「あ……すみません。せっかく早く上がれそうだったのに、いつも通りになっちゃいましたね」
逆に申し訳ないような気持ちになってそう言うと、岡本さんは「なぁに気を遣ってんのよ!」と声をあげて豪快に笑った。
「普段なかなか手が回らないで放っておいたけど、意外と業者に頼らなくても綺麗になるのね」
と、目を細めてフロアを見つめながら彼女は微笑んだ。
それからもう一度、
「ありがとう。お疲れ様」
――当たり前に与えられた仕事をしていて、今まで社員さんに『ありがとう』を言われたことがあったかな。
……自分から求めて、必要最低限以上の仕事をしたから、なのかも。
それは、こういう言葉になって戻ってくるんだ。
『ありがとう』を1人噛みしめていると、不意にぽんっと肩を叩かれた。
顔を上げると、岡本さんが穏やかに笑っている。
「良かった」
「え?」
「モップ持って戻ってきた時、なんだか浮かない顔してるように見えたからちょっと心配してた。今は良い顔してる」
「――ッ、す、すみません!」
慌てて顔の前でばたばたと手を振ると、それを見た岡本さんはくつくつと笑いを噛み殺した。
「なんかあったら、相談しなさいね……仕事のことじゃなくても。おばさんで良ければ、話くらい聞くわよ」



