一筋の涙 Ⅰ


理事長室を出て雅クンと廊下を歩く

『杏樹よく聞いて?ここには暴走族がいるのは知ってるよね??』

「あ、うん。」

暴走族の総長がこの学校にいるのは調べ済みだ。

『総長が同じクラスにいるから気をつけてね?なんかあったらすぐ助けるから』

ポンポンとリズムよく雅クンが
私の頭を撫でる。

「ありがとう雅クン」

ニコッと微笑むと安心した用に雅クンも微笑み返してくれる。

『さて、ここがクラスの2年A組だから呼んだらきてね?』

そう言いガラガラとドアを開け中にはいる雅クン。

雅クンが入ったドアを数秒見つめた後
グルッと周りを眺めてみる。
基本綺麗にされている廊下。
所々にゴミは落ちているが
不良高にしてはかなり綺麗だと思う。

『杏樹入っておいで』

なんていう雅クンの声が聞こえ急いで
ドアを開け中にはいる。