‐春‐
それは、新しい出会いの季節であり、別れの季節でもあったりすると言われるが、本当にそうだ と私は思う。


「はぁ~…毎日が退屈でつまんな~い」と、頬を膨らましながら頬杖をついている人物、それこそが 私 樋山まや(ひやま まや)17歳である。帰宅部に所属しており、成績は真ん中、いわゆる普通である。
「高2生活2日目で何言ってんの?まや」と、首をかしげて不思議そうに聞いてくるのは私の幼稚園からの親友 坂北梨恵(さかきた りえ)である。梨恵は、剣道部に所属しており、成績は上の上、私から見たらスポーツ万能 成績優秀 まったく羨ましい限りである。
「梨恵は、いいよね。スポーツも、勉強も、なんでも出来て、高校生活が充実してて。はぁ…私なんか、スポーツもダメ、勉強もダメ。何にも良いことがないんだからさ。…あ~ぁ 私も充実して楽しい高校生活が送りたいな~」
「…だったらまやも部活に入って勉強も頑張ってみたらどう?」
「そんなに簡単に言われてもね~。そんなこと出きたらとっくにやってるよ~(笑)」
「う~ん…じゃあ、恋をしてみたらどう?」
「 恋?う~ん…恋……かぁ…」