君と僕の一夜物語


「…よし、通れ」


荷台を確認し終わると
そのまま検問所を抜けるよう
言われる



『N銅貨しか持ったことない
銀貨ちょうだい』


「あぁ…まぁ、田舎じゃ
N銅貨しか使わないだろ
って、ちょうだいって…」


『クルタだとほとんど
自給自足だったから
お金あんまりない』


「…うーん、でも銀貨って」


『私も一緒に商売するから』


「え」


思いがけない言葉が
リファの口から聞こえた


『シオンの商品、
儲けさせてみせるから』


いつものだるそうな瞳から
どこか欲望に満ちた瞳に変わる


「…そこまで言うなら」


『やった』


(どのみち、小遣いやらは
必要だろうし、それに
売り子くらいにはなれるだろ)


あまり期待していない様子で
喜ぶリファを横目で見ていた