「そのかわり、ちゃんと風邪治してからな?じゃあ、俺は帰るから。ここにゼリー置いとくから好きなときに食べろよ。」

そう言って部屋を出ていこうとした颯の背中に抱きついた。普段なら絶対できない、こんな大胆な行動。

熱で体が熱いから?なぜだか自分でもわからないけど、離れたくなかった。

「実結?」

少し驚いたような颯の声。喉が痛くて声がだせない、でも好きって言いたい。


あたしは颯の背中に指を置いて、書いた。

「ありがとう」

「好き」

好きのきを書き終わると急に恥ずかしさがこみ上げてきてそっと背中から離れようとしたら今度は正面から颯に抱きしめられる。

心音がものすごい勢いで上がっている。

恥ずかしいよ~…