保健室に入るとちょうど保健の先生は職員室にいくところで俺達に実結を任せて職員会議に行ってしまった。

クリーム色のカーテンの一室の、白いベッドにすやすや眠る実結。

おでこには冷却シートが貼ってあって、顔はまだ少し赤い。

「颯君、実結はすぐ周りが見えなくなっちゃうんだよ、颯君のことばっかり考えちゃうの。」

山下が実結のはだけた布団をかけ直しながら静かに言う。

俺のことばっかり?

「実結はね、颯君のことが大好きなのよ、だから颯君ももう少し実結にこたえてあげて。」

こたえてあげてって言われても…俺はどうすればいいのかわからない。

「じゃああたしは帰るね、実結ママが迎えに来るみたいだからそれまで一緒にいてあげて。ほら!行くよ昂!」

そういいのこし、保健室を出ていった昂と山下。

俺はベッドのそばにあった丸い椅子に座り、実結の寝顔を見つめた。