レア単語?

「何それ?」

「颯がたまーにしか言ってくれない、言葉のこと!あたしの中のレア単語語録ではね、今のところ一位が愛してる、二位が好き、三位がかわい…」

「あー!もう、言わなくていいから!」

俺が恥ずかしいっての。

また照れてる!と笑う実結。

その単語、全部オレがいつも心の中では思ってるけどなかなか言い出せない言葉ばっか。

やっぱり素直に思ったらすぐ伝えたほうがいいのか?

いや、俺には無理だ。

だけど、誰よりも実結のこと、好きだから。

言葉にはなかなかできないけど、本当に大切だから。

「まあ、あんまり言ってくれないからそのぶん言ってくれた時すごく嬉しいんだけどね。」

実結の笑顔が俺にとって何よりも大切。

「…好き。」

なんとなく口に出してみた。

「へっ?何?」

どうやら聞こえてなかったみたいだ。

「別に。行こう。」

俺はその小さな手を握った。

すると暖かく握り返してくる。

となりにいるって、わかる。

それがなんだかすごく嬉しかった。