君のとなりで

「今日はこれから寝るから、ご飯とか適当に食べてね。」

そう言うと、眠そうにしながら寝室に入っていった。

そりゃあ朝まで飲んでたら、さぞかし疲れるだろう。

俺ももう成人して、酒とか飲めるようになったけど、俺はあまり酒が飲めないタイプらしい。

たまにサークルで飲みに誘われるけど、たいてい一杯も飲めば、もう十分。

今日の予定は久しぶりに実結とどっかいく予定。

だけどまだ朝の6時前。

俺も眠たくなってきた。

実結も多分部屋で寝てるだろうし、もう少してから迎えに行くか…

体も多分、休めたほうがいいんだよな。


「そーう、颯ってば!」

誰かが俺の名前を呼んでいる。

誰かって言っても、すぐに声がわかってしまうほど知り尽くした人物。

「あ、起きた!もうお昼だよ!」

目を開けると、そこには実結。

「今何時?」

「十一時半だよ。」

やべ、寝過ぎた。

九時くらいには起きて実結を迎えに行くつもりだったのに。

「せっかく久しぶりに会えたから、どこか行こうよ、だめ?」

相変わらずの上目遣い。

これを無意識にやってしまうのはその小柄な体と天然のせい。

「…うん。着替える。」

そっけなく言ったけど、最初からそのつもりだったことは言わない。