君のとなりで

それどころか、お腹のあたりを抱えてうずくまった。

「実結?どうした?」

「…うう…なんかね、腰とかお腹のへんがすごく痛い…」

…っ…それって…

「ご、ごめん!」

「へっ?なんで颯が謝るの?」

だってそれ、俺のせいじゃん。

絶対に。

「立てない?」

「う、ゆっくりなら…」

そんなに痛いのか…

やっぱり俺、加減とかわかんねえから…

「颯ー?いるんでしょ?」

やばい、足音が近づく。

かなり痛むのか、本当に恐る恐る歩く実結。


そしてどうにか、窓の外に出れた。

「後で行くから。」

それだけ言うと、俺は部屋に戻った。

後は実結が部屋に戻るだけだ。

幸いベランダはものすごく近い。

「颯…ってあら?一人なの?」

「そうだけど、なに。」

母さんは部屋をジロジロ見渡しながら首を傾げる。

「玄関に実結ちゃんのサンダルがあったから、てっきりいるのかと思って…」

サンダル…?

そんなの、実結がここにいたってことバレバレじゃねえか。

だけど、意外にも母さんはそこまで突っ込まなかった。

「颯は明後日までこっちにいるのよね?」

「うん、そのつもり。」

明後日からはまた東京に戻っての大学生活。

サークルも始まるし、バイトも一応塾の講師としてやってるからあまり長居はできない。