あとひとつ変わったことといえば、実結が大学でバスケサークルに入ったこと。

それを聞いたとき、俺はとにかく不安に襲われた。

それもこれも、全部昂のバカのせい。

「なんかさ、俺が入るって話を先輩としてた時にちょうど一緒にいてキャプテンが実結ちゃんのこと気に入って押しに押して入ることになったんだよね!」

まずそこに不安要素。

キャプテンが実結を気に入って?

そしてその後も俺の不安は的中した。

「入ったらもう実結ちゃん、モテモテですげえのよ!先輩、同期、後輩も実結ちゃんのこと好きになっちゃって。あ、でもちゃんと俺は最初に言ったんだぜ?実結ちゃんには付き合って長い幼なじみのめちゃくちゃかっこいい彼氏がいるって!」


そんなの、意味ないんだろ!

高校の時からそうだった。

「なんであんなにモテるんだ?」

つい呟いてしまったその言葉に、待ってましたと言わんばかりに食いついてきた昂。

「そりゃああんだけ可愛くて、ちょっと天然はいってて、優しくて、いや、まじで可愛くて!モテモテに決まってんじゃん!」

ちょっと待て。

可愛くて二回言ったぞ?

まさか、昂…

「なんだよ、その顔!俺は早紀一筋!これからもずっとな!」