はーい!」

鞄を持ってリビングにはいるとホットケーキを焼いてるお母さん。

「どうしたの、今日は豪華だね。」

「今日は実結の晴れ舞台だもん。ほらしっかり食べて!」

あたしは早速席につき、朝ご飯を食べ始める。

「お父さんから葉書も来てるよ!」

真結ちゃんが机の上にそっと葉書を置いた。

「後で颯君と写真取らなきゃ!」

張り切ってカメラを用意するお母さん。

「じゃああたし、行くね!」

「行ってらっしゃい、後でね!」

ドアを開けると、まだ少し寒いけど春の香りがした。

温かい日差しがあたしの体を包み込む。

大好きな季節、そして、そこに立っているのは…

「おはよ。」

陽の光を浴びて、キラキラ輝いている、大好きな人。

「おはよう!颯。」

あたしは嬉しくて、駆け寄ろうとしてまた躓きそうになっちゃう。

颯はそんなあたしをちゃんと受け止めてくれた。

「ありがとう。」

「ほんと、変わんないね。朝も転けてなかった?」

えっ!

なんで知ってるの?

「お前の奇声、丸聞こえ。」

ぎゃー!

あたしってば、恥!

「あたし、成長したと思ったんだけどな…」

「その身長で?」

「もうっ!」

相変わらず意地悪!

「一年の時より一センチは伸びてたもん!」