ただの晩御飯の買い出しなのに、電車で二駅の大型デパートにやってきたのは、暇潰しもあるけど、なんと言っても…

「それにしても、やるねー!瞬君、彼女の誕生日プレゼント選ぶから付き合ってほしいなんて!」

からかうように言うと、顔を赤くして、慌て出す。

「なんだよ!実結だって彼氏いるんだろ!幼なじみの!」

何回言われてもなれない、彼氏という響き。

そう言われるだけで、顔が熱くなってくる。

二人して赤面で、おかしいね。

瞬君と顔を見合わせて、笑う。

「なあ、ちょっと休まね?プレゼント選ぶのに協力してくれるお礼に、ケーキでも奢るよ。」

「やったー!ありがと!」

瞬君、こういうところが優しいんだよね!


近くにあったカフェに入り、甘党の瞬君もあたしもケーキセットとココアを注文する。

「ねえねえ、彼女さんってどんな人なの?」

「はあ!?なんで…」

「だって聞かないと、何をプレゼントするかに必要な情報でしょ!」

あたしがそう言うと、瞬君は少しずつだけど話しだした。

「…一つ上なんだ、吹奏楽部の先輩でさ、俺の一目惚れ。外見は、ちょっと実結に似てるよ。」

えっ、あたしに!?

「ちっちゃくて、フワフワしてて、なんていうか、天然?掴み所がないんだよね。」

へえ…