あたしは思いっきり背伸びして、颯にキス…

したかったのに、背が足りなくて、バランスを崩して颯に倒れこんじゃった。

「なにしてんの、新年早々。」

そう言ってあたしの頭をぽんと撫でてくれる。

こんなにキスしたいって思うの、おかしいのかな。

あたし、颯とキスしたいよ。

「どうした?顔、赤い。」

好きだからキスしたくなるのかな。

颯に近づきたくて、触れたくて。

「あの、そのね、…」

お願い、気づいて。

「つうかさ、そんな顔近づけられたら、ちょっとやばいんだけど。」

えっ…?

それってどういう意味?

あたしと同じように、颯もドキドキしてくれてるの?

「颯、頭下げて?」

「なんで?」

「いいから!」

不思議そうな顔をしつつも頭を下げてくれて、あたしとほぼ同じ目線になった颯。

あたしは颯の手をぎゅっと強く握った。

そして、目をつむって…

「みっ、実結…!?」

一瞬、本当にゼロコンマ何秒かだけど、一瞬だけ触れた颯の唇。

自分からキスしたはいいけど、恥ずかしすぎて顔あげれないよー!

絶対あたし、今、耳まで真っ赤だ。

寒いはずなのに顔が熱くてたまらないもん。

おかしいって思ったかな。

颯、どんな顔してるのかな。

恐くて見れないよ。