「そんなに見ないで、なんか恥ずい…」

そう言うと颯があたしの顔をクイッと横に向けた。

そのせいでぐっと近づいた颯の顔。

ちっ、近い!

こんなに顔が近いの、久しぶりだから緊張しちゃうよ!

改めて近くで見ると、睫毛長いなぁ…

本当にかっこいい。

というより、なんだかかっこいいし、美しいというか…!

「だから、見過ぎだって。」

「んっ!」

颯があたしの鼻をぎゅっとつまむ。

く、苦しい!

あたしが暴れると颯はあたしの腕をつかんだ。

そしてだんだん近づく颯の綺麗な顔。

二人の距離が3センチになった時、あたしはそっと目を閉じた。

「っ…」

唇に柔らかいものが触れて、途端に心臓が苦しくなる。

ずっとこうしたかった。

颯にぎゅってしてほしかった。

キスしてほしかった。

颯の唇はすぐに離れて、目を開けると、顔を少し赤らめた颯が大きな目であたしを見つめていた。

なに、これ…!

なんだか訳もわからないのに泣きそうになる。

嬉しくて、苦しくて、好きって気持ちが溢れてて。