そして次々に喜びや悲しみの声が上がるなか、いよいよ次はあたしの番。

「藤咲実結ー。」

きたっ!

名前を呼ばれて、職員室に入る。

緊張しすぎてドアにかける手が震えてるよ…

担任の先生の前まで行って、さらに高鳴る鼓動。

ドキドキドキドキドキドキ…

神様!最後は神頼みしてすみません!

でも、だけど、どうかお願いします!

「藤咲は、教育学部の保育科か。えっと…」

目を思わずぎゅっと閉じた。

「うん、合格だ!おめでとう!」

目をそっと開けると、先生の笑顔が滲んで見える。

「本当ですか?ありがとうございますっ!」

嬉しい!

やった!

合格したんだ、あたし。

「三年の、特に夏休みの終わりから本当によく頑張ったな。今までもコツコツ頑張ってたけど、九月からの成績がぐんと伸びてるから、努力が実ったんだよ。」

夏休みの終わり、颯と別れてから死に物狂いで勉強をして、体調をくずしちゃったり、周りに迷惑をかけちゃったり、辛いこともたくさんあったけど、諦めなくて本当に良かった!

これでひとつ、けじめがついたよ。

颯への告白に一歩近づいた。