「あたしたち、もう別れちゃったけど、幼なじみってことにはかわりないし、これからも普通に今まで通り仲良くしていこう?」

今まで通り…そうしたい。

そうしたいのか?俺は…

本当に?

「今日はびっくりしちゃったけど、話せてよかった!ありがとう!」

実結の笑顔に胸が締め付けられる。

ありがとうなんて言うなよ。

「あたしは颯のこと、ずっと幼なじみとして応援してるからね。じゃあね。」

くるりと背を向けて歩きだそうとしたその小さな背中。

「実結…」

声が出てしまっていた。

「…なに?」

ひき止めたって今更なんだよ。

もう遅いんだよ。

それに引き留めてどうする?

俺はもうこいつといられない。

「ありがとう。」

ありがとう、実結。

こんな俺に最後まで笑ってくれて。

応援してくれるっていってくれて。