そして土曜日の午後、空と公園にやって来た。

公園では小さい子からお年寄りまで結構な人がいる。

なぜかキョロキョロ辺りを見回す空。

何やってんだ？

「空くーん！」

手をふりながらこちらに向かって走ってくる、女の子。

誰？

空を見ると顔がだらしなくにやけてる。

もしかして…

「はじめまして！空君とお付き合いさせてもらってます、芦屋恵理です！」

やっぱりな、空の彼女だったのかよ。

てゆうか、ほんとに彼女いたんだ。

まだ中一のくせに、進んでるな。

「俺、帰るわ。お邪魔だし。」

せっかく練習するから来たのに、彼女いたんじゃ集中できねえだろ。

「ちょっと待てよ！後ちょっとだけ！…あっ！」

なんだよ？

服を引っ張られ、振り替えるとそこにいたのは実結。

「実結！来てくれたんだ！」

何でここに？

「空君、あたし…」

実結が何かいいかけたと同時に空と彼女は走っていくとあっという間に公園から出ていった。

残された俺と実結。

実結のほうはまだ状況が把握できないようで驚いたように俺を見ている。

そりゃあ、そうだよな。

「あたし、空君のバスケの練習に差し入れ持ってきてって言われて…」

そう言う実結の手には保冷バック。