そうして高校最後の体育会は終わり、あっという間に時間は過ぎていった。

俺はますますバスケに打ち込んで、大学の練習にも積極的に参加した。

そのおかげか体力や技術は大分上達した気がする。

気がするだけかも知れないけど。

「なあ、颯はもう大学決まってんだよな。」

今日は地元のバスケチームに空と来ている。

すっかり身長も伸びてこの前まで小学生だったのが嘘のような空。

彼女がいるという噂も本当らしく一緒に帰ったりもしているようだ。

「一応な、引っ越しの用意とかまだあるけど。」

英語の勉強とかも一応した方がいいと思うし。

寮は日本人を集めた宿舎だけど。

「ふーん、ならさ、個人レッスンしてよ。俺、今度の大会で絶対レギュラーとりたいんだ。」

俺もそうとうなバスケバカだとよく人に言われるけど、こいつも結構なバスケバカ。

けどバスケが好きな空の気持ちはよくわかる。

自分自身の自主トレにもなるし。

「いいよ。」

「よっしゃ!じゃあ毎週末、ゴールがある公園で練習見てよ!」