こんなになるまでにしたのは全部全部俺のせいだ。

ごめん。

「颯君…ありがとね。」

後ろについてきた山下が小さくいった。

「このこと、実結には言わないで。」

「へっ?…っうん。…わかった。」

さっきとはうってかわり、おとなしい山下。

保健室に入り、保険医の先生に実結を寝かせてもらう。

白い頬が少し赤くなっていて、苦しそうな実結。

山下は実結の汗で張り付いた髪をどかしてやりながら俺を見た。

「…颯君の選択は本当に正しい?」

俺の選択は、正しい?

正しいと思ったからそうした。

間違っているのか?

これが一番いい方法だと思ったんだ。

「俺は実結のそばにいてやれない。」

もう隣にはいてやれないから。


保健室を出てグラウンドに戻ると昂が駆け寄ってきた。

「実結ちゃん大丈夫なの?」

「山下がついてる。」

すると昂は不満そうな顔をした。

「颯さ、やっぱまだ好きなんだろ?」