「もういいよ、あたしたち別れたんだから関係ないんだもん。」

関係ない、さっき自分自身が西田にいった言葉だ。

なのにどうしてこんなに胸が痛む?

どうしてこんなに苦しくなる?

「颯はあたしのことなんてほっといて、今は自分のことに集中して。」

こんなときまで自分より他人優先の実結。

そんな姿に余計胸が締め付けられた。

「じゃあね、頑張ってね。」

そう言うと、階段をかけ上がっていった。

そんなあいつの小さな背中を俺はただ見つめることしかできなかった。