「颯!お前覚えてろよ!実結になんかしたら俺、許さねえからなっ!後、ついでに聖兄にもいっとけ!真結ちゃんになんかしたら許さねえからなって!」

そういえばもともと和希君が好きなのは真結ちゃんだった。だけど真結ちゃんは中学生の頃からのすでに聖君と付き合ってたから和希君の思いは実らなかったんだっけ?

颯に手をひかれ、エレベーターに乗り込む。

「あーあ、あいつほんとめんどくさいよな。」


颯が大きなため息をつく。無意識に颯の形のいい唇に目がいっちゃった。さっきは和希君の突然の登場で何もなかったみたいになっちゃったけど、あのまま誰も来なかったら、あたしと颯はどうなっていたのかな。

思い出すだけで心臓がバクバク鳴り始める。颯はあのとき、どんな表情だったの?

「実結?着いたけど。」

いつの間にか五階にエレベーターは到着していた。