「遠距離になるから別れるの?」

「…あたし、颯にね、頑張ってほしいの。バスケに集中してほしいって思って…」

これは本当、けど…

「実結?あたしたちの前でも我慢しなくていいんだよ?」

あゆちゃんの言葉に涙腺が崩壊した。

「あたし、やなやつなの。颯がスカウトされたこと、一番喜んであげなきゃいけないのに…自分のことばっかり…最低なんだ…っ…」

「実結…」

早紀ちゃんがあたしの肩をぎゅっと抱いてくれて、またそれにさらに涙が溢れた。

「辛かったね…話してくれてありがとう。」

早紀ちゃん…

あゆちゃん…

ありがとう。

「実結、今は受験に集中して、それからまた考えよう?そのときはあたしたちもまた協力するから!」

受験に、そうだよね。

あたしたちは受験生なんだ。

自分の進路もちゃんと決めてかなきゃいけない時期なんだ。

「うん!ありがとう!二人に話したらスッキリした!」

もう、泣かない。

あたしは頑張る。

颯があたしと付き合っててよかったっていつか思ってくれるような女の子になるんだ。

今までみたいな幼なじみには戻れないけど、あたしはずっと颯を応援してるよ。

颯のことを思ってる。

別々の道を行くけど、颯との思いではあたしのなかでずっとずっと宝物。