こんなときでも俺の理性はもう揺れ始めていた。

これが最後の、キス。

実結の頬に伝う涙を指でぬぐう。

少しずつ顔を近づけていくと、目の前に実結の長いまつげが閉じられたのを感じた。

柔らかい髪の毛を撫でながら、そっと唇を重ねた。

いつぶりだろう…五月以来か?

柔らかい感触に頭がおかしくなりそうだ。

そしてまたそっと顔を離した。

「…もっと…いっぱい、して?」

俺の浴衣の裾をつかんで離さない。

これ以上は、やばい。

止まらなくなってしまう、絶対に。

だけど吸い寄せられるようにして近づく顔と顔。

そして再び重なる唇。

さっきよりも深く、重ね合わせる。

「…っん…」

あ…やば…

気がつくと実結を布団に倒して、キスをしていた。

俺のしたで必死で呼吸を整える実結。