「顔も赤いよ、のぼせちゃった?」

言われてみれば、確かに少し頭がボーッとする。

「ありがと…」

素直に水を受け取り、口に含むと少しだけ目が覚めてきた。

部屋にもどると畳の上にはすでに2組の布団が生前とならんでいる。

よく考えたら、この状況ってかなり不味いよな。

だって二人で寝るってことだろ?

絶対実結が隣になんかいたら眠れやしない。

「もう遅いし、寝る?」

「えっ…あ…うん、そうだな。」

虚どっちまう。

電気を消して布団にはいると、聞こえるのは外からの海の音とお互いの息づかいだけ。

目をつむって早く寝ろ、早く寝ろ、と念じてみてもまったく眠くならない。

さっきの眠気はどこにいったんだ?

このままじゃ一睡もできそうにない。

「颯?起きてる…?」

十分ほどたった頃、隣の布団がもぞもぞ動く気配がした。

起きていたけど、今、実結を見たらどうにかなってしまいそうな気がして、なんとなく背中を向けていると実結が布団から立ち上がる気配がする。