それからすごい勢いで運ばれてくる料理に追い付けるように一生懸命食べてると気がつけばお腹は満腹。

「はあぁー…もう食べられないー!」

畳に足を投げ出して苦しくなったお腹をさする。

「そうやって食べあとすぐにごろごろしてると豚になるぞ。」

…豚に?


「牛じゃなかったっけ?」

「お前はちっちゃいから牛より豚。」

「ひっどーい!いいもん!しゃぶしゃぶ美味しいもん!」

「すき焼きもうまいよ?」

なんだかこうやってると明日には隣にいなくなっちゃうなんて嘘みたいだ。

明日になってもあたしのとなりには当たり前に颯がいて、こうやって笑いあってる。

そんな当たり前で平凡なことがなくなっちゃうの?

「颯…アメリカにいくの楽しみ?」

ずっと気になってたんだ。自惚れかもしれないけどもしかしてあたしのこと考えてくれてて悩んでたのかなって。

そうだったら、もう悩まないで、心配しないでって言わないと。