「お前のぼせたんじゃないの?顔赤いし。」

あたしのために買ってくれたの?

まだ開けてないってことはそうだよね。

「颯、ありがとう!」

「倒れられたら困るから。」

そう言ってそっぽを向く。

だけど、知ってるんだ。

照れてるんだよね、本当にすごく優しいんだ。

「なににやけてんの?」

颯の手があたしの頬に伸びてきて、ぐいっと軽くつままれる。

そういえば今気づいたけど、お風呂上がりの颯、半端なく色っぽい。

浴衣から見え隠れするきれいな鎖骨のラインとか、少し濡れてる髪の毛とか…

って!あたしなんか変態みたい!

火照った顔を冷やすように、もらった水をごくごくのんだ。

部屋に戻ると仲居さんがご飯の用意をしてくれていた。

「うわぁ!美味しそう!」

とても美味しそうにきれいにならんだ料理に思わず駆け寄る。

「はしゃぎすぎ。」

呆れるような顔をする颯。

だけど本当に美味しそうなんだもん!