そんな実結を見たら、こう言うしかなくなる。

俺は本当に最低だ。

「…わかった。だけど、日菜さんには俺から言うよ。」

「…っ…ありがとう!」

ごめん、もう少しだけ…


「…もしもし、お母さん?あのね、今日星見るのにはとまらなきゃいけないんだ。お願い!泊まってもいい?」

どうやら渋られている様子。

そりゃ、いくら幼なじみの俺でも男と外泊なんていい顔するわけがない。

「実結、代わって。」

実結の手から携帯を奪う。

そしてひとつ深呼吸をした。

「もしもし、颯です。」

『あ、颯君。…ごめんね、実結がわがまま言って。』

「いえ、俺も一緒にいたいんです。お願いします。…絶対に大切にします。…絶対に傷つけません。」

別れるんだから、泊まりでそういうのを望むなんてあり得ない。

『…颯君、実結のことが好きなの…?』

「…っ…はい、そうです。」