黙ったまんまの実結。鼻をぐずぐず言わせてる。もしかして泣いてんのか?
「実結?泣いてんの?」
「違うよ!これは嬉し涙だもん!」
どっちみち泣いてんじゃん。ほんと泣き虫。
鼻をすすってようやく顔を上げた実結。可愛くて仕方ないと思う俺は相当重症。
小さな頭を撫で、頬に伝う涙を拭ってやる。自然と近づく顔。ヤバい、もうとまんねえかも。
実結との唇の距離が後三センチになり、そっとお互いが目を閉じた瞬間、チリンチリンというけたたましい音に慌てて体を離す。
「颯ー!てめえ、実結に何してんだ!!」
でたよ、タイミングが最強に悪い男、森原和希。俺たちの一つ年上で同じマンションの三階に住む高校三年生。元バスケ部部長で俺の先輩でもあるが、小学校のバスケチームから一緒だからタメ口も許される仲。ものすごい勢いで自転車を投げ捨て、実結と俺のあいだにわってはいってくる。
「実結、なんもされてねえか?あ、もしかしてお前ら付き合ってるとかふざけたこと抜かすつもりじゃねえよな?」
「実結?泣いてんの?」
「違うよ!これは嬉し涙だもん!」
どっちみち泣いてんじゃん。ほんと泣き虫。
鼻をすすってようやく顔を上げた実結。可愛くて仕方ないと思う俺は相当重症。
小さな頭を撫で、頬に伝う涙を拭ってやる。自然と近づく顔。ヤバい、もうとまんねえかも。
実結との唇の距離が後三センチになり、そっとお互いが目を閉じた瞬間、チリンチリンというけたたましい音に慌てて体を離す。
「颯ー!てめえ、実結に何してんだ!!」
でたよ、タイミングが最強に悪い男、森原和希。俺たちの一つ年上で同じマンションの三階に住む高校三年生。元バスケ部部長で俺の先輩でもあるが、小学校のバスケチームから一緒だからタメ口も許される仲。ものすごい勢いで自転車を投げ捨て、実結と俺のあいだにわってはいってくる。
「実結、なんもされてねえか?あ、もしかしてお前ら付き合ってるとかふざけたこと抜かすつもりじゃねえよな?」



