やっぱりちゃんと笑えてないかな…

だから、颯はそんな悲しそうな顔するの?

早く、早くこの場から立ち去りたい。

じゃないときっと泣いちゃうよ。

泣いたらだめなんだから。

目に力をぐっと入れる。

そして真っ直ぐ颯を見上げた。

「…颯、今まで本当にありがとう。…ずっと颯のこと、応援するね、幼なじみとして!」

だめだ、自分で幼なじみなんていっちゃったら、もう今にも目から雫がこぼれそうになる。

「じゃあね、おやすみなさい…」

そう言ったときにはもう、限界がきていて。

後ろを向いて慌てて屋上のドアを開けようと手をかけた。

これで最後なんだ…

いいの?


こんな最後でいいの?

足が止まってしまってドアの前で立ち尽くす。

嫌だ、別れたくなんかない。

幼なじみなんかに戻りたくないよ。

颯が好きだもん。

これが本音なんだ…