「ねぇ、颯!あたしね、颯が好き!」

「っ…げほっ…げほ…」

こいつ、いきなりなにいってんだ?ココア吹きそうになった。

実結を見ると顔を赤らめて上目遣いで俺を真っ直ぐ見ていた。

「颯…好きだよ。」

まだ言うのか?そんなこと言って、俺のこと誘ってんのか?んなわけないか…こいつそういうこと出来ないし。

言われたこっちが恥ずかしくなってきて、実結をぎゅっと抱き寄せた。これでお互いの顔が見えないからちょっとはましかと思ったけど、柔らかい髪の毛が鼻をくすぐるからまたもや心臓がなり始めた。

「颯は…?」

俺の胸に顔を埋めたまま実結が言う。

そんなん、決まってる。だけど言葉にするのは恥ずかしくて、照れくさくて。

どうすんだよ…俺は5秒間迷った後、腹をくくった。

「好きだよ。」

普段思ってることを口にしただけなのに、こんなにも恥ずかしいのか。