「温かい…ほら、颯!」

背伸びして俺の頬にも缶を当ててくる。

「冷めるから早く飲めよ。」

実結の手から缶を奪い、タブを開けて渡す。

「んん~!おいしー!あったかーい~!」

ほんとに美味しそうに飲む実結。自販のココア一本で幸せなやつ…こっちまで顔が緩みそうになる。

「はい!颯も!!」

缶を俺に渡してくる実結。俺は受け取り、少し考えた。

これってさ、その、間接…あー!やめよ。バカじゃねえの?今まで普通に飲んでたじゃん。

缶をつかみココアを飲んだ。体か少しだけ温まっていく。

「美味しいでしょ?」

「うん、まあな。」

なぜか得意気な顔で俺を見上げる実結。