「来週あいつの三者面談が終わったら話します。」

「そうか。まあ、もう一回言っとくが、泣かすんじゃねーぞ。」

先生、ごめん。

多分それは無理だ。

何故なら、俺の考えが自惚れでなかったら、あいつを泣かせる。

一番大切にしたい、泣かせたくない、笑顔にしたい実結を泣かせる。

俺は、来週、実結に別れを告げる。


図書室に行くと、いるはずの実結の姿がなかった。

トイレか?

だけど10分以上たっても現れない。

もしかして先帰ったのか?

「ねえ。」

待っていても仕方ないのでとりあえず外で電話をしようと図書室を出ようとすると、後ろから声をかけられる。

振り替えるとそこにはだるそうにカウンターの中で肘をついた、確か去年同じクラスだった都築遥斗がいた。

同じクラスだったにも関わらず、初めて話しかけられた。

「藤咲さんならさっきすごい勢いで出てったよ。」

すごい勢いで?