家には誰もいなくて、つまりは二人きり。

この状況にどこまで俺の理性は保てるのやら。

部屋に入ると、床に正座して、一枚の丁寧に折り畳んだ紙を俺に両手で渡す実結。

「これがひとつ目の、プレゼントです。お誕生おめでとう!」

なんだ、こいつ。面白い。

受け取り、開いてみると数学のテストの答案だった。

点数のところは折り畳んであった。

「見るよ?」

「はい!」

…うわ、まじかよ。

「すげえじゃん!」

「えへへー、がんばったの!」

なんとそこにかかれていた点数は92点だった。

数学が苦手な実結。

相当頑張ったんだな。

「そしてこれが二つ目のプレゼント!」

そう言って渡されたのは、小さなラッピングされた袋。

「いいっていったのに。」

「いいから!」

開けてみると、中からストラップが出てきた。

チェーンの先に小さなバスケットボールがついているモチーフのもの。

「颯の携帯、なんにもついてないよね?良かったら、つけてください。」

恥ずかしそうに自分の髪の毛をさわる実結。


「ありがとう。」

携帯をとりだし、つける。

「うん、いい!つけてくれてありがとう!」

あー…なんでこんなにかわいいんだ?