そっと顔を離した。

ぎゅっとかたく閉じていた瞳をそっと開く実結。

「…ごめん。俺…」

だっさ。

最悪だ。自分の弱い理性に負けて、こんなことして。

恥ずかしくて、実結のほう見れねえ。

すると、急に後ろから何かに抱きつかれた。

何かって実結しかいないけど。

「…続きは、颯の誕生日、あたしからする。」

はっ…!?

「ごめん…恥ずかしい!あたし、なにいっちゃってるんだろう…っ…ひゃあっ!」

小さな実結を抱き締めた。

好きで、どうしようもないっていうのはこういうことなのか。

そういえば兄貴が言ってたっけ…

「真結のこと、たまに本当に好きでたまんなくなるときがあるんだよなー!」

そのときはバカじゃね?って思ったけど。

まさか俺がこんな感情をもつなんて。