クスクス…

回りを見ると、後ろに並んでたカップルさんがあたしたちを見て笑っていた。

うっ…恥ずかしい!

もう!颯のバカ!

なんとか館内に入ると、またもや問題発生。

早紀ちゃんと昂君の席の間には謎の空間。

あたしは颯と顔を見合わせた。

「早紀ちゃん、そっちつめて!」

「え?あたしと実結が隣じゃないの?」

早紀ちゃん…

早紀ちゃんはあたしによく鈍感だとか言うけど、早紀ちゃんもけっこう鈍いよね…

「あっ、でもこの映画恋愛ものだし男女隣に座ってみた方が雰囲気出るかなーっなんて…」

またしても、颯にヘルプアピールを出してしまった。

悔しいけど、頼るしかないんだもん!

「そうそう、俺と実結が座るから山下と昂は隣でいいだろ?」

「?まあ、いいけど。」

腑に落ちないって顔をしながらもなんとか昂君と早紀ちゃんが隣の席に座れて、一安心。