「おい、お前俺に助けばっかだしてんじゃねえよ。」

早紀ちゃんたちが見えなくなると、颯がいきなりあたしのおでこにデコピンをしてきた。

「いったー!なにすんの!」

本気の力でやったなー…

おでこをさすりさすり颯をきっとにらむけど、多分迫力はゼロに等しい。

「だって早紀ちゃんピリピリしちゃってるし、なんとか場を和ませなきゃって思ったの!」

あのまま二人がギクシャクしたままじゃ意味ないでしょ?

「だったらもう少し上手くやれよな。失敗してばっかじゃん。」

うう…悔しいけど何も言い返せない…

だっていままで颯に助けてもらってばかりなんだもん。

そうこうしてるうちに列は進み、注文していた品を受けとる。

思ってたよりも重くて、思わずぐらぐら。

こぼしたりしたら大変だ!

「ほら、貸して。」

気合いを入れて持ち直してると、ひょいっと横から奪われたトレー。

「お前は絶対転んでぶちまけるから。」

ぜ、絶対っ!?

「そんなことないもん!子供扱いしないでよ!」

「は?子供じゃん?」

「あたしが子供なら颯だって子供ですー!」