急に取り上げたせいでシャーペンで引っ掻いて破れたじゃねえか!

「冷たすぎだろ!そこは普通協力してくれよ!」

「協力って何を?」

意味わかんねえし。

「だから!これ!」

昂がポケットから取り出して俺の机の上においた何かチケットらしきもの。

見るとそれは映画のチケット。

「なにこれ?」

「これを観に行くってことで、早紀と出掛けて告白すんの!」

あー…なるほど。

でも俺、協力しようがなくない?

「だから頑張れとしか言えないだろ。」

そう言うと昂は物凄く呆れた顔をして俺を見た。

「ほんっとお前は恋愛に関しては理解が幼稚園児並みだな。」

何だと?

カチンときた俺は昂の手からチケットを奪い取った。

「わかったよ。協力すりゃいんだろ?」

「そうそう!さすが!」

ちっ…めんどくさいことになってきた。

すっかり昂のペースにのせられてしまった。

つうかなんだよ!

恋愛に関しては理解が幼稚園児並みって!