颯の返事をきくまえに部屋にバタバタと戻る。

嬉しいよ!やっと会えた!

それに颯から来てくれるなんて!

大急ぎで制服に着替えると慌てて玄関に飛び出した。

「お待たせ!行こう!」

鍵を閉めて颯の隣に並ぶ。

こうして隣を歩くだけでも幸せ!

「いいのかよ、お前べつに学校に用事ないんだろ?」

「いいの!あっ、見て!桃の花がきれい!」

道路の脇の花屋さんの店先にピンク色の満開の桃の花。

「桃ってかわいいよね!女の子って感じ!」

三月三日は桃の節句っていうもんね!

「桃っていえば、なんかお前、今日桃の香りする。なんかつけてんの?」

そう言うと颯が急にあたしに近づいてきた!

うわっ!

思わず後ずさっちゃったよ…