じゃあまだあの約束は継続中ってことか?

とっくに俺はやぶってしまった。

「茜、もう遅いし、寒いから帰れよ。」

これ以上葵とのことをおもいだしたくなくて、そう言ってしまった。

「平気だよ?あたし、まだ颯といたい。」

こいつ、こんな性格だったっけ?

「ずっとここで待ってたんだろ?風邪ひいたら困るし、送るから。」

「…やっぱり優しいね。颯は。」

送るって言っても二階まで行くだけのことなんだけど。

あっという間に二階に到着し、茜を部屋の前までつれていく。

「じゃあ、おやすみ。」

そう言って背を向けた瞬間、ぐいっと腕を引っ張られた。

「送ってくれてありがと!」