実結がやっとただの幼なじみだけじゃなくなったその日から一年。

付き合うようになってから特にこれといって変化はない。

そりゃあ俺は健全な男子高校生だから実結に対してそういう感情が全くないと言ったら嘘になる。

だけど、自分の欲より実結を大切にしたいっていう気持ちのほうが勝っている。

簡単に触れられない。大事すぎて、どうすればいいのかすらわからない。

鈍感なあいつはそんなことには気づくはずもなく、今日も俺の理性を壊そうとする。

「なぁ、颯!聞いてんのかよ?記念日の用意!」

記念日ってなんか用意するのか?俺はそういうのわかんねえんだよ。

「別に…何にも。」