その子はあたしが乗るまでボタンを押して待っててくれてる。

「ありがとう、空君。」

空君は4階に住む小学六年生の子。そしてこないだあたしを小学生と間違えたのは空君の友達。


「実結、こないだは俺の友達がごめんな?あいつ悪気はなくてさ。」

優しい空君は年下とは思えないくらいしっかりしてて関心しちゃう。

「ううん、いいの。それよりちょっと相談にのってくれないかな…?」

なんだか誰かに聞いてほしい。六年生の男の子に恋愛相談なんてどうかしてる。だけど早紀ちゃんばっかりに頼ってはいられないし、空君なら優しく聞いてくれそうだし…

「いいよ。屋上行く?」

そう言うと空君はエレベーターの屋上のボタンを押した。