「ごめん…うそ。幼なじみなんかに戻りたくない。」

かっこわる…自分から言っといて、だけど実結だけは自分のわがままでもいいから離したくない。

「…っ…ひっく…」

泣きじゃくる実結の小さな頭をそっと撫でる。

「実結、顔あげて?」

だけど実結は俺の胸に顔を埋めたまましゃくるだけ。

「……鼻水つけた?」

「…っ…つけてない!」

やっとあげた顔にはたくさんの涙のあと。目も赤くなっている。

その涙を拭ってやると、実結がもう一度抱きついてくる。

ほんと、警戒心なさすぎ。

「あっ!そうだっ!あたし、チョコ作ったの!はいっ!」

そう言ってポケットからとりだした小さな袋。