それに、俺が実結を泣かせたってことか?なんで実結が泣くんだ?

色々意味わかんねえよ。

考えながら歩いているとあっという間にマンションのホール。

少し頭を冷やしたくて、なんとなく家に帰りたくなくて俺の足は自然と屋上へ。

エレベーターのボタンの五階を飛ばし、屋上を押した。

ここのマンションは七階建てで一番上は屋上になっている。

普段は開いてないけど、俺と実結は管理人の立川さんから鍵のありかを教えてもらい、度々星の観察をしたり、遊んだりしていた。


さすがにこの年で鬼ごっことかはしないけど、屋上は人が来なくて落ちつくし、嫌なことがあったり、考えごとをしたいときにはよく来る。

エレベーターが屋上について、ギギギと少し音のなる扉を開く。

「寒…」

冬だから冷たい空気が肌をさすが、相変わらず星がすげえきれい。