〜柊side〜

莉羅「そんなの、できるわけないじゃない!!!!」





俺はびっくりした。






大声を出されたからとかそんなんじゃなくて、こいつのことだから俺を置いてさっさと行っちゃうと思ってたから。






少しぼーっとなってたら、とうとう電車が発進した。





柊「うわっ!」





莉羅「ちょ、なんで気付かないのよ!」






莉羅が発進してもまだ引き離そうと頑張ってるから止めようと思ったけど、顔を見た瞬間何も言えなかった。






こいつ………涙目になってる?






ありえない光景に唖然としていたら、莉羅が叫んで電車は止まった。




しばらくしても涙目になって俯いている莉羅に自然と手を置いてしまった。




もうわけわかんねえ……





莉羅「河内!早くしないと遅刻しちゃう!」





河内って莉羅に呼ばれるのもなんかやだし…





柊「河内って呼び方止めね?」





なんか莉羅には名前で……柊って呼んでもらいたい……どうしても……





莉羅「河内は河内だからそれ以外で呼ぶとかは無理!ほら行くよ!」





ズキ……




あれ?なんか地味にショックかも……





なにショック受けてんだよ。




ははっ、なんか笑えてくる。






この時は気づいてなかった初めて抱いたこの気持ちの正体を………