「今家にいるんだよね?」
彼女の声はいつもの数十倍は暗く、そして冷たかった
つっと、汗が背中をつたう
「今例の店の前にいるんだけど・・・」
そこはホテルが立ち並ぶいわゆるホテル街。
彼女の話は耳を疑うものだった
私は泣いた
悔しくて、悲しくて・・・
声を出さずに泣いた
窓際に飾ってあった花から花びらが一枚ひらひらと舞い落ちた
まるで、こうなることが必然であったかのように。
運命の歯車は動き出した
音を立てずにゆっくりと
すべてを壊しに―――――
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…