「 あ、家ここです 」
「 そっか。意外と近いね 」
じゃあ、と彼は去っていった。
学校から家まで。
約30分の制服デート。
それは会話もうまく成り立たない拙いものだったけど、
彼は楽しんでくれただろうか。
彼の背中を見えなくなるまでぼーっと見つめたあと、あたしは家へ入った。
「 お帰り 」
「 ただいま、翔(かける)くん 」
ジャージ姿であたしを出迎えた、10歳年上の兄。
血は繋がっていないけど、兄はあたしにとてもよくしてくれる。
「 今日、カレー? 」
「 ああ。お前、好きだったよな 」
「 うん! 」


