ずるずると持ち込んだダンボールを閉じていたガムテープをべりっと勢いよくはずす。
これなんて言うのかな、細かい発砲スチロールみたいな、多分中身が割れ物なのかな、緩衝材として入ってるんだろう。中身が発砲スチロールだけなんてそんな事はないだろう。
この発砲スチロール捨てるの面倒だなあなんて見当違いのことを思いながら発砲スチロールを避けていく。
「なにこれ、マネキン…?」
白い陶器みたいな触り心地、いや、本当に陶器なのかな…?
さっきショップでもマネキンは見たけどそのマネキンよりずっと綺麗。
なんでマネキン?
誰が送ってきたの?
あまりにもわからない事が多すぎて、手紙とかついてないかなあなんて発砲スチロールをあさってみれば、期待通りというかなんというか小さな封筒が出てきた。
ぺりっと小気味いい音と共に封筒が開いて中身が顔を出す。
手紙というには小さい、どちらかと言えばカードかな?
カードには一言だけ。
Imaginez-vous en train s'il vous plaît de vouloir devenir
なりたいあなたを、想像してください。

