「え。」
そう言って彼が差し出したのは人ひとり入れそうなほど大きなダンボール。
私、こんなにも大きな荷物が届くようなこと何かあつたっけ?
不思議に思うけどサインをする伝票には確かに私の名前に私の住所。
送り主は、
「Transformation…?」
「大丈夫ですか?」
「あ、はい。」
まだ仕事があるであろう彼をこれ以上ひきとめるわけにもいかないし、伝票に書かれた住所も名前も確かに私のもの。スマホで応募したなにかの懸賞を忘れてるんだろうと思ってサインした。
「横にしたら入りますかね。」
「一人で持てますか?」
「大丈夫です、ありがとうございます。」
いえ、と爽やかに去っていった彼に好感度大。彼にとっては仕事だから当たり前なのに、優しい人だなあなんて思ってしまうのは私が単純だからかな。
前言撤回?いや、前々言撤回?イケメンってやっぱりいいかも。

